はるもにの記録

うつ病サバイバー / 日々の記録

Official髭男dism「Sanitizer」の歌詞解釈&考察!

Official髭男dismが12/1に新しいシングル、「Sanitizer」をリリースしました。

 

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この曲はうつ病や、心の病に苦しむ人の心の中を歌った曲なのではないかと思います。

 

私はうつ病サバイバー(うつ病を乗り越え回復した人のこと)で、この曲を聴いた時に涙が止まりませんでした。

うつ病を経験したからこそ見える視点で、この曲の考察・解釈を書いていこうと思います。

 

 

全体の考察

心の病、そしてそれを抱える自分と戦っている男性が主人公。

心の中の葛藤を、彼女には見せられないからエタノール(消毒用アルコール)で表面だけでも綺麗にしたいというところからスタートします。

自分のことが嫌いで仕方がないけれど、彼女にこの心の穴を埋めてもらうのではいけないという気持ち、そして自分で自分のことを守ってあげたり、誇れる自分になることで、彼女にふさわしい自分になれるんだという気持ちを固めていきます。

 

エタノールを使う対象が、曲を通して変化していきます。
序盤では、心の中の暗い気持ちを隠したくて、自分の気持ちにエタノールを使います。

最後には「自分で自分を守ってこそ、君を愛せるんだ」という熱い決意を固め、それだと暑苦しいので、その気持ちの表面だけをエタノールで拭く、という流れになっています。

 

 

歌詞の背景

ここからは、細かく歌詞に込められた意図の解釈を書いていこうと思います。

 

エタノールに浸して 差し出したいろんな潤い
荒れた肌に沁みて痛い 胸の奥は知られたくない

胸の中ではいろんな感情が混ざっているけど、その感情を隠したくて、エタノールで綺麗にしてから君に見せたい。
隠す行為自体も、自分が傷つく感じがする。

 

 

でもここは せめてこの時間だけは湿度と暖かさに満ちたい
弱音はいつまでも吐きたい 吐きたがる僕が僕は嫌い

心は冬の乾燥した寂しい感じだけど、君といる時間だけはそうしたくない。
でも会ってる時も、僕は自分の中の自分と戦っている。

 

 

君の優しさに甘えて 大丈夫って言葉貰って
貰ったくせにすぐに落として あれこれ求める痛み止め

「大丈夫」って言葉は嬉しい。
でも気分のアップダウンもあって、その大切な「大丈夫」も無意味に感じる時もあって、他に何か心を支えてくるものを無意味に探し続けてしまう。

 

 

逆剥けを繰り返す指先 抑えつけても暴れる期待
心にへばりつく病原菌 君にうつしませんように

自分のネガティブな気持ちはコントロールできない。
楽しいことなんてないと、常にマイナス思考に引っ張ってくる何か(病原菌)がずっと付きまとう。こんな暗い僕が横にいて、君の気持ちまで暗くしてしまうことは許されない。

 

 

Oh babyこの渇きだけは ここにある穴だけは
君に満たしてもらっちゃいけない気がするんだ
もう平気なフリすらしない 全てを洗い流した上で
格好つけて 真っ当に生きていたい
I'm baby 自分という人を自分で守る事が
君を愛すという事の第一歩

この心の病を治すために、君に頼り切っててはダメだ。
大丈夫なふりではなく、ちゃんと自分の足で立ちたい。
自分と戦ってばかりいるけど、自分は敵でなく守るべき存在であり、それができてから君を愛することができるはず。

 

 

もう元に戻らない アザのできた体のまま
折れ目のついたハートのまま 僕という人のありのまま

心の病は完全には消えない。それも含めて、僕なのだと思う。

 

君の優しさに甘えて 大丈夫って言葉貰って
貰ったくせに信じず捨てて 当たって何度も傷つけて
気づけば繋がれてた点滴 不甲斐ない僕を責める免疫
それでも増えていく病原菌 君に謝りたかったのに

君のくれる「大丈夫」はありがたいのに、それを信じられなかったり、当たってしまったり…
本当はそんなつもりではなかったのに。また自分が嫌になるし、さらに苦しくなってしまった。

 

Oh baby この痛みだけは ここにある「嫌い」だけは
何に頼って治したとしたって意味がないんだ
能天気な未来はいらない たとえ苦しみにまみれたって
僕は僕に僕だけで勝ってみたい
I'm baby 自分という人を自分で誇る事が
君を愛すという事に不可欠だった

「自分を嫌い」という感情は克服しなければならない。
誰かにすがりついたり、この気持ちに蓋をしたりするのではなく、自分の努力で克服したい。
自分を誇ることができるようになったら、君を愛すことができる。

 

 

軟弱な自分を呪った 君はそれを笑った また救われてしまった
逆剥けやヒビ割れだらけの手 シミや折れ目だらけのハートで
それでも笑みを浮かべるその目
僕は僕にとっての君に 君にふさわしい僕に ちゃんとなりたかったんだ

頼ってばかりではダメだと思うけど、君はいつも近くで助けてくれる。
この僕ではなく、ちゃんと君にふさわしい僕になりたい。

 

Oh babyこの渇きだけは ここにある穴だけは
君に満たしてもらっちゃいけない気がするんだ
もう平気なフリすらしない 全てを洗い流した上で
格好つけて 真っ当に生きていたい

Oh babyこの痛みがまた ここにある「嫌い」がまた
僕の心を突き刺し蝕んだとしたって
もうどんな劇薬もいらない 不安にうなされながらも
僕は信じている 僕を信じている
I'm baby 自分という人を自分で守る事が
君を愛すという事の第一歩

この心の穴は、君に埋めてもらうのではなく自分で埋めたい。
「自分を嫌い」という感情はきっとまた僕を苦しめるけど、もう自分自身を信じる心の準備はできた。自分で自分のことを守るんだ。

 

 

そんな暑苦しい想いをせめて表だけでも
拭いて綺麗にしてから会いに行くよ

この決意は君に見せる必要はない。
暑苦しいだろうから、エタノールで綺麗にしてから君に会いに行くよ。

 

 

うつ病で苦しんでいるどん底にいた自分、そして少しずつ回復してきた自分とかなり重なりました。

最初にこの曲を聴いたときは、「苦しんでいるときにぜひ聴きたかった」と思いましたが、回復してきた今だからこそ、自分の通ってきた道と重ねて、深く心からこの曲を感じることができるのかなと思いました。

 

敵だと思っている自分のことを守ったり誇ったりできるようになるには、かなりの努力や時間がかかります。

 

今苦しみの中にいる人に、この曲がぜひ届くといいなと思うのと同時に、家族や大切な人、身近な人がうつ病で悩んでいるという人にも、ぜひ届くといいなと思います。